グリーンツーリズムレポート(11)

〜那須の漆器、木地師体験〜 太田川清流塾「伝説を再び! 戸河内挽物編」

「この伝統だけは残してくれ!!」

この師匠の言葉に心打たれ、一度は消えてしまった那須地域の漆器(しっき)作りの技を何とか後世に伝えようと、日々精力的に活動されているのが講座主催者の新宅智也さん。

伝統工芸を残し広く伝え知ってもらいたい!

この戸河内挽物(ひきもの) 、県内にわずか14指定しかない「広島県伝統的工芸品」の一つ。もう一度那須の漆器を復活させるのが、最大の目標である。この技を用い、漆も自ら育て、昔ながらの工法で作るほどの情熱とこだわりに心打たれる。

「まー横になりんさいや」“ろくろ・轆轤・ロクロさん”

ロクロと聞くと陶芸を思い起こす人が多いでしょう。「寝かせてください。」木材をセッティングする。勢いよく回る。これが木工ろくろ。挽物にかかせない相棒だ。 横に寝かせてくるくる回る木材に、刃物(小がんな)を固定台(うま)に乗せ、やさしくあてがい削っていく。

大工さんが使う“カンナ”と同じなんと

回転するものに刃物を当てて削るのは、動くものが逆であるだけで、カンナをひいて削るのと同じ仕組みだ。まずはお手本をじっくり見学。軽快な削れる音と技に魅入る。

サラサラサラ シュルルルルルー♪♪

母のお腹にいるような居心地の良い空間。木の発するリズムとともに、原木は幾何学模様となり、その形を変化させていく。『さっきそこにはそんな“丸”無かったのに!?』木の香りを放ちながら、心地よい音を立てて変身する。

「よ〜し! ワシにもできそーじゃの ふふふ」

多くの人がそう思うかもしれない。魔法をかけられたように簡単に小皿になるのを見たからだ。よーし! 「まずはやってみてください。」と先生。初めて横向きのロクロに向かう。「よし!」無意識に声が出る。そーっとそーっと、「ズガガガッガッガ ガリボリ ジョリン ガタ」 「まったくいかん! 」 音にも個性が出る!

真剣に・その1点に・指先に集中する

人は集中すると無口になる。その世界に独りだけの世界を作る。いつしか工房はロクロの音だけとなる。精神が集中し、不思議な快感を覚えた。たまにはこんな時間があるといいなー。その時!「ありゃー助けてー。」少しのミスでせっかくできた高台を削っちゃたー。」「伝統工芸がサラサラうまくいくわけないか!皿だけに…。」「難しいことを知っていただくのもこの講座です。」集中すること2時間…なんとか形になった小皿? とっくり? 煎餅?ができあがった。「すごく上手ですよ。」※個人の腕前でかなり差が出ます。

漆でうるるん 拭き漆仕上げに 出会った〜〜♪

「うるしの1滴は血の一滴」と言われる。それほど採取が困難で貴重であるということ…。ゆっくりと生漆を濾して使用する。漆は何度も何度も塗り重ねて仕上げる。今回は拭き漆仕上げで、塗った漆をふき取り乾燥させて完成。貴重さを耳にした塾生は、そりゃー大切に作品に塗り込んでいた。時間だけがあっという間に過ぎ去り、残ったものは、煎餅風小皿と笑顔。そして全身疲労と肩こり。「いらん力みがあるんだねー。」

清流塾で伝統を学んでグリーン・ツーリズムを!!

太田川清流塾では全国でもそう体験できない伝統の技が体験できます。田舎で守られてきた技と歴史を体感してみてください。そして、講座主催者として、また塾生としてご活用ください。ところでみなさんの、ロクロの音はどんな音を奏でますかね?ふふふふ。

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